PHPバージョンアップの費用と進め方|古いPHPから8系へ

  • 公開日
  • 約8分で読めます
PHPバージョンアップの費用と進め方|古いPHPから8系へ のイメージ画像
目次6

この記事のポイント

  • PHPバージョンアップの費用は、今のPHPの古さ・システムの大きさ・フレームワークと資料の有無で大きく変わります。
  • 同じ系列内の更新(パッチ)は小さな作業。5系・7系から8系への移行は、プログラムの修正とテストが必要です。
  • PHP 8.2のサポートは2026年12月31日まで。長く使うなら8.4か8.5がおすすめです。
  • 正しい見積もりは「現状調査」から。段階的に進めれば、一度の負担を小さくできます。

「PHPのバージョンアップをしたいけれど、費用はいくらかかるの?」――2026年10月にPHPの重大な脆弱性が公表されてから、こうしたご相談が増えています。

先にお答えすると、PHPバージョンアップの費用は「今のPHPがどれだけ古いか」「システムの大きさ」「フレームワークと資料の有無」で大きく変わります。同じ系列内の更新だけなら小さな作業ですみますが、PHP 5系・7系から8系への移行では、プログラムの書きかえやテストが必要になり、費用も期間もふえます。この記事では、見積もりの考え方と、依頼するときの進め方をやさしく説明します。

なぜ今、PHPのバージョンアップが必要なのか

理由は大きく2つあります。重大な脆弱性が見つかったこと、そして古いPHPやフレームワークには、もう修正版が出ないことです。

サポート期限と2026年10月の動き

  • PHP 7.4のサポート終了

    7系の最後のバージョンです。これ以降、修正版は出ていません。

  • PHP 8.1のサポート終了

    8.1以前は、すべてサポートが終わりました。

  • Laravel 11のセキュリティ修正が終了

  • CakePHP 4のサポート終了

    CakePHPは2系・3系もすでに終わっています。

  • 重大な脆弱性「PHP2shell」の修正版が公開

    10月21日に修正版(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)が出て、22日にIPAとJPCERT/CCが注意喚起を出しました。くわしくはPHP脆弱性への対応|PHP2shellで中小企業が今やることをご覧ください。

  • PHP 8.2のサポート終了

    今は使えていても、年内に期限が来ます。

  • Laravel 12のセキュリティ修正が終了

どのバージョンを目指す?

バージョンサポート期限状態(2026年10月)
PHP 8.52029年12月31日おすすめ
PHP 8.42028年12月31日おすすめ
PHP 8.32027年12月31日サポート中
PHP 8.22026年12月31日まもなく終了
PHP 8.1・8.02025年12月31日・2023年11月26日サポート終了
PHP 7.4以前・5系2022年11月28日以前サポート終了

長く使うなら8.4か8.5へ

せっかくバージョンアップするなら、期限の長いバージョンを選ぶと、次の大きな作業までの時間をかせげます。2026年10月時点でサポートが続いているのは8.2〜8.5です。

「パッチ」と「バージョンアップ」のちがい

言葉が似ていてわかりにくいので、まず整理しておきます。

作業内容作業の大きさ
パッチ適用
(マイナー更新)
同じ系列の中で最新にする(例:8.3.20 → 8.3.36)小さい
動作確認が中心
PHPのバージョンアップ系列をまたいで上げる(例:7.4 → 8.4)。使えなくなった書き方を直す中〜大
フレームワークの更新Laravel・CakePHPなどを新しい版に上げる。CakePHP 2系からの移行は作り直しに近いことも中〜大
サーバー・OSの入れかえサポートが終わった古いOS(CentOS 7など)から新しい環境へ引っ越す中くらい

実際には、PHPだけを上げることは少なく、「PHP+フレームワーク+サーバー」をまとめて新しくするケースが多いです。

パッチだけでしのぐ

  • 8.1以前には、そもそも通常の修正版が出ない
  • 8.2も2026年12月31日で期限が来る
  • 次の脆弱性のたびに、同じ悩みがくり返される

8系へバージョンアップ

  • 修正版を受けとれる状態にもどる
  • 8.4・8.5なら2028〜2029年末までサポートが続く
  • 以後の脆弱性は、パッチ適用で対応しやすい

PHPバージョンアップの費用を左右する5つのポイント

ポイント費用が上がりやすいケース費用をおさえやすいケース
1. バージョンの差PHP 5系から8系など、差が大きい8.1・8.2から8.4へなど、差が小さい
2. システムの大きさ画面や機能が多い。決済・メール配信などの外部連携が多い画面や機能がしぼられている
3. 作り方フレームワークを使わない独自のプログラム。古いライブラリへの依存Laravelなど、広く使われるフレームワークで作られている
4. 資料とテスト仕様書がない。自動テストがない(手作業の確認がふえる)仕様書や自動テストが残っている
5. サーバー環境OSやデータベースもサポートが終わっていて、引っ越しが必要サーバーは新しく、PHPだけを上げればよい

ネットの「相場」には注意

同じ「PHPバージョンアップ」でも、上の5つで作業量がまったく変わります。ネット上の相場をそのまま当てはめるのは危険です。正しい金額を出すには、まずシステムの中身を調べる「現状調査」が必要です。

費用をおさえるコツ

いちばん効くのは、一度に全部やろうとせず、段階に分けることです。

STEP 1応急処置アクセス制限などで、まず危険を小さく
STEP 2PHPを8系へ修正版を受けとれる状態に
STEP 3フレームワーク・サーバー新しい版・新しい環境へ
図1:段階的に進めると、一度の負担が小さくなります
  • 使っていない機能を整理する:だれも使っていない画面や機能は、移行せずに削るのも手です。
  • 段階的に進める:まずセキュリティの応急処置、次にPHP、最後にフレームワーク、のように分けます。
  • テストの範囲を一緒に決める:売上や業務に直結する機能から、重点的に確認します。

依頼から完了までの進め方

  1. 相談・ヒアリング

    どんなシステムか、だれが使っているか、困っていることをお聞きします。

  2. 現状調査

    ソースコード、サーバー、データベース、使っているライブラリを調べます。

  3. 計画と見積もり

    どこまで上げるか、どの順番で進めるか、いくつかの案を出します。

  4. 改修とテスト

    本番とは別のテスト環境でプログラムを直し、動作を確認します。

  5. 本番への切りかえ

    止める時間をできるだけ短くし、問題があればすぐ元に戻せるように準備します。

  6. 保守

    今後のPHPの更新や、新しい脆弱性にも対応できる体制をつくります。

依頼前に用意しておくとスムーズなもの

契約先がわかる資料

サーバーやドメインの契約先と、契約者がだれか。

ソースコードの場所

サーバー上にあれば大丈夫です。

残っている資料

古い仕様書、見積書、画面のメモ、メールのやりとりなど。

使っている人

普段その機能を使っている人の名前と、よく使う操作。

資料がなくても依頼はできます。「作った会社と連絡がとれない」「担当者が辞めた」といった場合は、システム保守の引き継ぎについての記事も参考にしてください。

見積もりをもらったら確認したいこと

  • どのバージョンまで上げるのか(PHP、フレームワーク、OS)
  • テストはだれが、どこまで行うのか
  • 本番切りかえで問題が起きたら、元に戻せるのか
  • 完了後の不具合や、次の脆弱性への対応はどうなるのか

よくある質問

どれくらいの期間がかかりますか?

パッチ適用だけなら短期間ですみます。PHP 7系から8系への移行やフレームワークの更新を含む場合は、システムの大きさによって数か月かかることもあります。調査のあとで、具体的な予定をお伝えします。

システムを止めずにできますか?

作業はテスト環境で行うので、普段の業務はそのまま続けられます。本番の切りかえも、夜間や休日など影響の少ない時間に短く行うことができます。

今の制作会社の見積もりが高い気がします。

別の会社に見積もりを取って比べるのは、ふつうのことです。調査結果をもとに、作業の内訳をわかりやすくご説明します。

見た目や使い方は変わりますか?

バージョンアップだけなら、基本的に画面や操作は今のままです。この機会に使いにくいところを直したい、というご相談もお受けしています。

Digi DinosのPHPバージョンアップ・保守サービス

Digi Dinos(デジダイノス)は、ベトナムと日本(横浜)に拠点を持つソフトウェア開発会社です。創業8年、150件以上のプロジェクトの経験をもとに、日本語で対応できるチームが古いPHPシステムを支えます。

8系へのバージョンアップ

PHP 5系・7系から8系へ。Laravel・CakePHP・独自のプログラム、サーバー・OSの入れかえまで。

脆弱性へのパッチ対応

新しく公表された脆弱性(CVE)に、すばやく対応します。

資料がなくても計画できる

プログラムを読んで仕様書を作り直し、全体の計画をご提案します。

永久保証

保守契約を続けていただいている間は、期限なく保証します。

PHP以外(JavaやNode.jsなど)で作られた古いシステムもご相談いただけます。

PHPバージョンアップのご相談

まずは現状調査から、お見積もりします

どこまで上げるか、どの順番で進めるか。調査の結果をもとに、作業の内訳と予定をわかりやすくご説明します。

関連記事