DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味・進め方・事例
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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術とデータを使って、会社の仕事の進め方や判断のしかた、お客様への価値の届け方を変えていく取り組みです。ソフトウェアを入れること自体が目的ではありません。仕事の流れやビジネスのしくみを見直し、技術が本当に役立つ状態をつくることが大切です。
この記事のポイント
- DXは、仕事のやり方と価値の生み出し方そのものを変えることです。紙をデータにするだけではありません。
- デジタイゼーション → デジタライゼーション → DX の3段階で考えるとわかりやすくなります。
- 人、業務の流れ、データ、技術、顧客体験、セキュリティの6つをそろえて進めます。
- いちばん確実な始め方は、小さな課題から試し、効果を測ってから広げることです。
DXとは
DXは、デジタル技術をもとにした会社全体の変化です。業務の流れが作り直され、データが判断のよりどころになり、商品やサービスがデジタルでお客様に届き、人の働き方も変わります。
見分けるコツは、「道具が変わっただけか、仕事のやり方まで変わったか」を見ることです。
まだDXとは言えない例
- Excelをクラウドに移したが、月末の集計は手作業のまま
- 新しいシステムを入れたが、紙の手順をそのまま再現しただけ
- 部署ごとにシステムがばらばらで、データがつながっていない
DXと言える例
- リアルタイムの販売データを見て、在庫や価格をすぐ調整できる
- 先に業務の流れを見直し、それに合うシステムを選んでいる
- お客様が注文から支払い、配送状況の確認まで一つの窓口でできる
デジタイゼーション・デジタライゼーションとの違い
よく似た言葉ですが、3つは順番につながる段階です。前の段階が次の段階の土台になります。
| 段階 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| デジタイゼーション (Digitization) | 紙やアナログの情報をデジタルにすること | 紙の契約書をスキャンしてPDFにする |
| デジタライゼーション (Digitalization) | 今ある業務の手順をシステムで行うこと | 休暇申請を紙ではなくシステムで承認する |
| DX (Digital Transformation) | 技術とデータで、ビジネスのしくみや組織の文化、価値の生み出し方を変えること | ネット販売と、購入データにもとづくお客様ごとの提案 |
覚えておきたいこと
デジタイゼーションとデジタライゼーションは土台で、DXはその先にあるゴールです。一つずつ完全に終わらせる必要はありませんが、土台がないままDXだけを目指してもうまくいきません。
なぜ今DXが必要なのか
経済産業省は2018年の「DXレポート」で「2025年の崖」という言葉を使い、古いシステムを使い続けるリスクを示しました。2025年にまとめられた報告でも、課題はまだ残っています。
12兆円
古いシステムを放置した場合に、2025年以降に毎年生じうる最大の経済損失(経済産業省、2018年)
61%
2025年時点でレガシーシステムが残っているユーザー企業の割合(経済産業省・デジタル庁・IPA)
79万人
2030年に不足するおそれがあるIT人材の数。需要が高い場合の最大値(経済産業省の試算)
一つひとつの会社にとっても、理由ははっきりしています。
- お客様がデジタルに移っている:スマートフォンで調べ、比べ、買い、支払い、すぐの対応を期待しています。
- 仕事の効率が上がる:決まった作業を自動にすれば、ミスが減り、処理が速くなり、人は大事な仕事に集中できます。
- データで判断できる:月末に手で集計するのではなく、今の数字をすぐに見て決められます。
- 古いシステムのリスクを減らせる:つぎはぎで中身がわかる人が少ないシステムは、年々維持にお金がかかり、新しいツールともつながりにくくなります。
DXを支える要素
DXは、次の6つがそろって進むときに成功します。技術だけが強くても、人やデータが追いつかなければ「新しいシステムが入っただけ」で終わりがちです。
人と組織の文化
経営者が本気で取り組み、社員が学び、新しいやり方を受け入れられること。
業務の流れ
今のやり方をそのままデジタルにせず、流れそのものを見直すこと。
データ
正しく集め、一か所にまとめ、管理する担当者を決めること。
技術
クラウド、Web・スマホアプリ、システム連携、そして必要な場面でのAI。
顧客体験
どの変化も、お客様にとって使いやすく、早く、満足できるものにつながること。
セキュリティと管理
データを集めるほど、アクセス権限やバックアップ、ルールづくりが大切になります。
DXの進め方(5ステップ)
何年もかかる大きな計画は必要ありません。この流れなら、早く効果が見え、リスクも小さく抑えられます。
- 今の状態を知る
手作業が残る業務、データのある場所、使っているシステムとその担当者を書き出します。
- 目標を決める
受注処理の時間を短くする、リピート率を上げるなど、数字で測れる目標をいくつかに絞ります。
- 小さく試す
効果が見えやすい業務を一つ選び、数か月で試験導入します。
- 導入して効果を測る
導入前と後の数字を比べ、実際に使う人の声を集めて改善します。
- 広げる
うまくいったやり方を他の部署へ広げ、システム同士をつなげます。
ステップ2では、目標を「追いかけられる数字」と結びつけるのがコツです。たとえば次のようなものがあります。
| 困りごと | 測る数字 | 測り方 |
|---|---|---|
| 受注処理が遅い | 注文から出荷までの時間 | 新しいシステムの導入前と後の平均を比べる |
| 報告書を手で作っている | 報告書づくりにかかる月の時間 | 担当者の作業時間を記録する |
| リピーターが少ない | 2回目の購入をしたお客様の割合 | お客様ごとの購入データ |
| 入力ミスが多い | 週ごとの修正件数 | システムの記録やミスの記録表 |
最初の課題の選び方
多くの人が困っていて、毎日発生し、効果を測りやすい業務を選びましょう。目に見える成果が出ると、社内の協力も得やすくなります。
業界別のDX事例
製造
IoTセンサーで機械の状態を見守り、故障する前に点検する。
金融
オンライン本人確認(eKYC)で、来店せずに口座を開設。
バックオフィス
電子承認、電子署名、勤怠や人事の管理を一つのシステムに。
よくある課題
DXがうまくいかない原因の多くは、技術ではなく「始め方」にあります。2つの進め方を比べてみましょう。
失敗しやすい進め方
- 業務の困りごとではなく、話題の技術から考え始める
- データが複数のシステムに散らばったまま
- IT部門にすべて任せ、現場の人が関わらない
- 説明や研修なしに、新しいやり方だけを求める
おすすめの進め方
- 具体的な困りごとと、改善したい数字から始める
- データを一か所にまとめ、担当者を決める
- 現場の人とITの人が同じチームで進める
- 研修を行い、声を聞きながら短いサイクルで改善する
成功する割合は高くありません
McKinseyが2018年に行った調査では、DXによって成果が上がり、その変化を長く続けられていると答えた人は16%にとどまりました。小さく始めて効果を測ることが、リスクを下げるいちばんの方法です。
よくある質問
中小企業にもDXは必要ですか?
はい。古いシステムや承認の段階が少ない分、中小企業のほうが早く進められることもあります。ネットでの注文受付や、顧客情報の一元管理など、具体的な業務から始めるのがおすすめです。
DXにはどのくらいの期間がかかりますか?
DXは続けていく取り組みで、終わりはありません。ただ、最初の試験導入なら数か月で効果を測れるのが理想です。
AIを使わないとDXになりませんか?
そんなことはありません。AIは、きれいなデータとはっきりした課題(需要の予測や問い合わせの仕分けなど)があるときに役立ちます。業務の流れを見直し、システムをつなぐだけで大きな効果が出る会社も多くあります。
何から始めればよいですか?
まずは今の状態を知ることです。手作業が残っている仕事とデータの場所を書き出し、いちばん時間がかかっている課題を最初の試験対象に選びましょう。
Digi DinosのDX支援
Digi Dinosは、ハノイと横浜を拠点に、日本企業向けにWebシステム、スマホアプリ、システム連携の開発を行っています。今の状態の分析から開発、リリース後の運用まで、オフショア開発の体制でDXを支援します。詳しくはサービス内容や業界別ソリューションをご覧ください。