IT Comtor(コミュニケーター)とは?仕事内容・必要スキル・BrSEとの違い
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IT Comtor(コミュニケーター)とは、日本のお客様とベトナムの開発チームの間に立ち、通訳と情報の橋渡しをする職種です。日本向けのオフショア開発を行うベトナムの開発会社ならではのポジションで、プロジェクトのコミュニケーションの質を大きく左右します。
この記事のポイント
- 「Comtor」は communicator(コミュニケーター)の略で、お客様と開発チームの間で情報を伝える役割です。
- 主な仕事は、資料の翻訳、会議の通訳、Q&Aの管理、進捗の報告です。
- BrSEとの違いは、語学が強みで、技術的な判断は行わないことです。
- 多くの求人では日本語能力試験(JLPT)N2以上とITの基礎知識が求められます。
IT Comtorとは
「Comtor」は communicator(コミュニケーター)の略です。オフショア開発では、日本のお客様は日本語で要件を書いたり質問したりし、ベトナムのエンジニアはベトナム語で開発を進めます。IT Comtorはその間に入ります。
それぞれの方向で、Comtorが伝える内容は次のとおりです。
| 方向 | Comtorが伝える内容 |
|---|---|
| お客様 → 開発チーム | 仕様書、要件の変更、Q&Aの回答、デモ後のご意見 |
| 開発チーム → お客様 | 仕様の確認の質問、進捗報告、不具合報告、リスクやスケジュール変更の連絡 |
ただの通訳ではありません
一般的な通訳者と違い、ソフトウェアの用語や開発の流れを理解していることが前提です。画面の項目や業務ルールの解釈がずれていることに気づき、確認できることが求められます。
なぜComtorが大切なのか
日本ではIT人材の不足が続き、オフショア開発を選ぶ会社が増えています。その委託先として、ベトナムは特に人気があります。
79万人
2030年に不足するおそれがあるIT人材の数。需要が高い場合の最大値(経済産業省の試算)
No.1
日本企業がオフショア開発先として最も多く検討する国はベトナム(オフショア開発白書2025年版)
2時間
日本とベトナムの時差。業務時間がほぼ一日重なるので、その日のうちにやり取りできます
主な仕事内容
資料の翻訳
仕様書、画面設計書、テストケース、不具合報告、議事録などを日本語とベトナム語の両方向で翻訳します。
会議の通訳
定例会議、要件の確認、デモなど。Zoom、Teams、Google Meetでのオンライン会議が中心です。
Q&Aの管理
チームの質問をQ&A表にまとめ、回答をいただくまでフォローし、担当者に正しく伝えます。
進捗の報告
日報・週報の作成と翻訳、リスクやスケジュール変更のご連絡。
PM・BrSEのサポート
会議資料の準備、Backlog・Redmine・Jiraのチケット更新、Chatwork・Slack・メールでのやり取り。
文化の橋渡し
報連相や、日本のお客様が期待する報告の細かさ・言葉づかいをチームに伝えます。
ある一日の例
プロジェクトによって異なりますが、たとえば次のような一日です(ベトナム時間。日本は2時間進んでいます)。
- お客様からのメールやChatworkを読み、翻訳して担当メンバーに伝えます。
- 新しい仕様書を翻訳し、チームの質問をQ&A表にまとめます。
- お客様との定例会議で通訳をします(日本時間15:00)。
- 議事録を翻訳し、決まったことをチケットやスケジュールに反映します。
- 日本の業務時間内に、お客様へ日報を送ります。
Q&Aの流れ
ComtorのよさがいちばんわかるのがQ&Aです。よい質問を正しく訳し、きちんとフォローすれば、チームの手戻りを何日分も防げます。
- チームがわかりにくい点を見つける
エンジニアやテスターが、二通りに読める要件に気づきます。
- Comtorが質問を整えて翻訳する
背景や画面のスクリーンショット、案を添えて、お客様が選ぶだけで答えられる形にし、Q&A表に載せます。
- お客様に送ってフォローする
決められた連絡方法で送り、作業が止まっている質問は丁寧にリマインドします。
- 回答を担当者に伝える
質問した人に伝え、チーム全員が同じ理解になっているか確認します。
- 資料とチケットを更新する
結果を仕様書やチケットに残し、チャットの中だけに埋もれないようにします。
BrSEとの違い
ComtorはBrSE(ブリッジSE)と一緒に働くことが多く、よく混同されます。一般的な通訳者とも比べると、Comtorの役割がよくわかります。
| IT Comtor | BrSE | 通訳者 | |
|---|---|---|---|
| 強み | 語学とコミュニケーション、ITの知識 | 技術とシステム設計、日本語 | 語学 |
| 主な経歴 | 日本語学科、日本留学経験者など | 日本語ができるソフトウェアエンジニア | 語学、通訳 |
| 責任範囲 | 双方の情報を正しく伝え、Q&Aをフォローすること | 要件分析・設計・技術的な解決策 | 言葉や文章を正しく訳すこと |
| ソフトウェアの用語 | 理解が必要 | 深く理解 | 必須ではない |
| 技術的な判断 | 行わない | 行う | 行わない |
ComtorとBrSEは補い合う関係
Comtorとして経験を積んだ後に技術を学び、BrSEになる人も多くいます。小さな案件では、BrSEがComtorの仕事を兼ねることもあります。
求められるスキル
- 日本語:多くの求人でJLPT N2以上が条件です。会議の通訳では、N1や日本での生活経験が大きな強みになります。
- ITの基礎知識:開発・テストの流れ、フロントエンド、バックエンド、データベース、APIといった考え方、設計書の読み方。
- ビジネス日本語:敬語、ビジネスメール、報告書の書き方。
- 正確さと主体性:わからない点は推測せず、確認すること。
- ツール:Excel、Backlog・Redmine・Jira、オンライン会議ツール。
日本語能力試験(JLPT)はN5(やさしい)からN1(むずかしい)までの5段階です。Comtorの仕事では、上の3つのレベルが次のような目安になります。
| レベル | JLPTの公式な目安(要約) | Comtorの仕事では |
|---|---|---|
| N1 | 幅広い場面で使われる日本語を理解できる | 会議の通訳や、細かな要望の多い案件 |
| N2 | 日常的な場面の日本語に加え、より幅広い場面の日本語をある程度理解できる | 多くの求人で求められるレベル |
| N3 | 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる | プロジェクト資料の翻訳には、さらに学習が必要なことが多い |
一語の誤訳が、チーム全体の手戻りに
仕様書の用語を一つ訳し間違えるだけで、チーム全体が違う機能を作ってしまうことがあります。よいComtorとは、速く訳す人ではなく、わからない点をきちんと確認できる人です。
キャリアパス
経験を積んだIT Comtorは、それぞれの強みに合わせてさまざまな道に進みます。
リーダーComtor
Comtorチームのまとめ役や、大きな案件・重要なお客様の担当。
BrSE
プログラミングとシステム設計を学び、技術面にも責任を持つ。
ビジネスアナリスト
日本のお客様の業務や要件を分析する。
プロジェクトマネージャー
プロジェクト全体のスケジュール、品質、お客様との関係を管理する。
日本向けQA
日本語のテスト資料を使い、日本向けのソフトウェアをテストする。
日本で働く
プロジェクト経験を積んでから、日本で働く道を選ぶ。
よくある質問
Comtorがいれば、すべて日本語で依頼できますか?
はい。仕様書やご質問、会議はすべて日本語で大丈夫です。Comtorが翻訳し、開発チームからの質問や報告も日本語でお届けします。
ComtorとBrSE、どちらが必要ですか?
要件の分析や設計まで日本語で相談したい場合はBrSEが中心になり、翻訳や会議の量が多い案件ではComtorが加わるのが一般的です。小さな案件ではBrSEが両方を担うこともあります。
Comtorの日本語はどのくらいのレベルですか?
求人ではJLPT N2以上を条件とすることが多く、会議の通訳を担当する場合はN1レベルが目安です。
時差は問題になりませんか?
日本とベトナムの時差は2時間だけです。業務時間がほぼ重なるので、その日のうちに質問と回答をやり取りできます。
Digi DinosのComtor
Digi Dinosはハノイと横浜に拠点を持ち、日本企業向けにシステム、Webサイト、スマホアプリを開発しています。各プロジェクトではComtorがPM・BrSEとともにお客様と直接やり取りし、日本語でのスムーズなコミュニケーションを実現しています。